岐阜県臨床心理士・公認心理師協会について
会長挨拶
これからの臨床心理士・公認心理師に期待されること
岐阜県臨床心理士・公認心理師協会 会長 山本 彩
岐阜県臨床心理士・公認心理師協会は、1991 年 5 月に臨床心理士の職能団体として岐阜県臨床心理士会として設立されました。2019 年に国家資格として公認心理師が誕生し、2022年 6 月岐阜県臨床心理士・公認心理師協会と新しい名称で再出発しました。岐阜県の職能団体としては 35 年を迎えています。現在の会員数は 400 名を超え、その活動は医療、学校臨床、福祉、司法、産業など多岐にわたります。県民の心の健康と福祉の向上に関する活動を、心の専門家として専門性を活かし、 行政や各種機関と連携しながら取り組んでいます。
最近の社会情勢の変化の裏には、家庭や学校での環境問題が深刻化している現状があります。また、大災害や突発的な事件、事故、コロナ感染(Covid-19)などによって環境の基盤が揺らぎ、心の平常を保てず日常を取り戻せない人々が存在します。我々心の専門家が医療・福祉、教育機関(スクールカウンセラー等)と繋がることができる事を切に願っております。そのために臨床心理士・公認心理師(以下心理士・師とする)は、常に専門知識や技術に加え、観察力やコミュニケーション力、倫理観を備える事が求められています。日々研鑽に励み、技術の向上のために研修を開催し、包括的な支援の実践に努めてまいります。
心理士・師が必要としている人々にどのように寄り添う事ができるか、これからの時代に新たに出現する問題や社会の変化に対応できる心の専門家としての自覚を持ち、会員の皆様の活動に期待いたします。
また、岐阜県民は、素直で包括力があり、堅実で真面目な性格を持つとされております。 2024年元旦に起きた能登半島沖の大震災時には文科省から災害派遣依頼があり、即座に本部を立ち上げ2月には石川に多くの会員であるスクールカウンセラーが支援に入りました。こうした実行力と堅実性を持つ岐阜県の力は、今後も繋げていかないといけません。
斎藤道三が 「美濃を制する者は天下を制す」と銘文を残しております。岐阜県が歴史的に重要な地域であったように、岐阜県から心の専門家として活躍されることをお祈り申し上げます。今後とよろしくお願いいたします。
設立趣旨
岐阜県臨床心理士会は、1991年5月、岐阜県で活動する「臨床心理士」資格取得者の職能団体として設立され、2022年6月岐阜県臨床心理士・公認心理師協会となりました。
目的
会員相互の協力と各種機関との相互理解により、岐阜県の心理臨床の発展を促進し、且つ臨床心理士・公認心理師としての資質と技能の向上及び権益の保護充実をはかるとともに、人々の心の健康の保持向上に寄与すること。
主な事業
- 会員の権益保護充実のための諸活動
- 人々の心の健康と福祉の増進に関する諸活動
- 会員相互研修のための研究会(研修会)の開催
- 関連団体及び各種関連学会が主催する諸事業についての協力と発展に資するための諸活動
- 会報の発行
- その他、本会の目的を達成するために必要と認める事業
- 日本臨床心理士の団体会員としての諸活動
組織図

岐阜県臨床心理士・公認心理師協会会は9つの領域の担当部門があり、各理事が活動しています。医療保健領域、学校臨床領域、災害支援領域、福祉領域にはそれぞれ委員会が組織され、会員が活動しています。倫理領域においては、事案発生時に倫理委員会が組織されます。
役員
令和7年・8年度理事
- 会長
- 山本 彩
- 副会長
- 川原 聡
- 代表理事
- 橋本 哲也
- 事務局長
- 江畑 慎吾
- 事務局(会計)
- 菱田 智也
- 医療保健
- ○岩田 道子、三輪 小百合、山本 彩
(理事外協力員:前川 恵里、井口 愛)
- 学校臨床
- ○三輪 小百合(学校)、○川原 聡(SC研修部)、江畑 慎吾、平田 朋美、馬渕 淳子
(理事外協力員:堀江 康介、松田 美和、下野 有紀、石丸 千絵、森田 郁世、田村 早織、井上 修一、金子 咲代、渡邉 安沙美、加藤 直美、堀部 幸治、柘植 裕季、大下 真海、飯塚 剛)
- 産業・私設心理相談
- ○堀田 亮、池谷 由美、北村 和代、水野 香代
(理事外協力員:松本 拓真、佐藤 貴代)
- 子育て・高齢者・福祉
- ○水野 香代、岩田 道子、河合 直樹、瀬戸山 裕希
(理事外協力員:藤本 明歩、鳥居 勇)
- 被害者支援・司法
- ○藤村 唯、堀田 亮、馬渕 淳子
(理事外協力員:林 恵美、北川 小有里)
- 災害対策
- ○渡邉 安沙美、牧野 香織、川原 聡
(理事外協力員:北原 幸香)
- 倫理
- ○谷口 博昭、山本 彩(会長)、川原 聡(副会長)
(理事外協力員:樹下 晃代、黒田 直美、坪井 あかね)
- 研修
- ○河合 直樹、菱田 智也、橋本 哲也、古村 真帆
- 広報
- ○橋本 哲也、瀬戸山 裕希
- 会計監査
- 片桐 恵子、柘植 久恵
各担当理事
活動紹介
医療保健領域担当理事
当領域に所属する会員は、精神科や心療内科をはじめ、小児科、内科、リハビリテーション科などさまざまな診療科に勤務しています。
昨今、医療の進歩は目覚ましく、わたしたちも医療従事者として常に新しい知識の獲得や技術の研鑽を求められています。当領域では、年数回の研修会を行うことで会員の専門性や資質向上に努めています。
また、岐阜県は県域が広く、1人職場である医療機関も多いことから、関連情報や研修機会を得にくい場合があります。そこで、コミュニケーションツールを活用し、会員同士のネットワーク作りにも取り組んでいます。
その他、県や市町村から要請されるさまざまな対策協議会、相談業務などにも積極的に携わっています。
学校臨床領域担当理事
教育領域全般(各学校機関、教育委員会、教育センター、教育相談室など)において勤務しており、学校におけるスクールカウンセラー(SC)に多くの臨床心理士・公認心理師が携わっています。
近年は、不登校対応のほか、発達障害などの支援、自傷行為、ゲーム依存、いじめ、虐待、性暴力、貧困、ヤングケアラーなどへの多様な対応がチーム学校として求められます。その他、公立校における心理教育(SOSの出し方教育)の実践は必須となり、職員研修などのニーズも高まってきています。
緊急支援事業では、地区のSCスーパーバイザーと連携したシステムがあり、バックアップ体制が整っています。また私学事業や災害支援との連携や組織づくりもしています。
研修の機会としては、『SC研修部』において研鑽・交流の場を設け、一人職種になりやすいSCが、仲間や横の繋がりが持てるよう努めています。
福祉領域担当理事
福祉領域の会員は、幅広い分野で活動しています。乳幼児健診・発達相談を含めた子育て支援や発達障害者支援、児童福祉・障害者福祉・高齢者福祉に加え、近年はひきこもり支援も活動に含んでいます。
福祉領域の支援は、法律や制度の改正に伴って、常に変化し続けています。そのため、多岐にわたる分野で活動する会員と研修や交流会を行い、知識や情報のアップデートに努めています。
産業領域担当理事
近年、社会経済などの情勢の影響を強く受け、労働現場のストレスは確実に増加傾向にあり、メンタルヘルスの問題が大きくなってきています。働くすべての人を対象に、より生き生きとした職場環境をめざし、働くことによって生じるさまざまな葛藤を整理していく心理的支援が求められるようになってきています。
「働きがい」は「生きがい」にもつながり、働くひとが安心して、キャリアを積んでいくことができるようになります。産業領域ではハラスメント相談、保育士の心のケア事業、ジンチャレ事業等への協力を通じて、働く人のメンタルヘルスに関する支援を行っていきたいと考えています。
また、私設相談とは個人または組織で運営している心理相談機関です。自分のこと、家庭のこと、学校や職場のことなど、種々の心理的な悩みや課題の解決、人間的成長を支援します。
被害者支援・司法領域担当理事
事件や事故による被害に遭われた被害者の方の心の傷は深く、被害について相談できるようになるまでには様々なハードルがあります。今現在安心・安全な環境に身を置けているか、被害を受けたことを認知しているか、被害について言葉にできるか、身近に信頼して話せる相手がいるか等です。我々は、被害者やその家族の方が主体的に生き生きとした生活を送ることができるよう心の回復をサポートします。一方、犯罪をした人には特性に応じた効果的な指導を検討します。岐阜県臨床心理士・公認心理師協会は、岐阜県警、ぎふ犯罪被害者支援センター及び性暴力被害者支援センター、法テラス、刑務所等と連携し、被害者やその家族の心のケアに取り組んでいます。また、県民に対して被害者の方が置かれた状況や支援や配慮の必要性について周知するため、研修や講演会の後援等も行っていきます。
災害支援担当理事
災害支援担当理事は、岐阜県内で発生した災害や事故、あるいは他の地区で大規模災害や事故等が起きた際に、速やかに支援活動を行えるように準備をしています。
具体的には「災害支援委員会」を組織し、災害支援に関心のある会員に所属していただき、研修や情報交換を行っています。また、中部ブロックという近隣の9県(愛知、三重、静岡、長野、富山、石川、福井、山梨)と日頃より連携を行い、支援活動を行う際の組織作りをしています。
そして、学校臨床領域担当理事と連携し、緊急支援時の組織作り、災害支援に必要な書類などの整備を行っていきます。災害支援の経験をお持ちの方、関心がある方、これから学んでいきたい方と、共に学び、活動していきたいと思います。
研修担当理事
研修担当は、主に年次大会、初任者研修会、秋季研修会の企画運営を行なっています。必要に応じて、各専門領域の委員会と協力しながら質の高い研修の機会を会員へ提供すべく活動しています。臨床心理士・公認心理師協会という広く心理臨床にかかわる専門家集団の研修として、自分の専門分野とは異なる領域の研修を受けて頂くことも可能です。
臨床心理士・公認心理師として必要なことは、大きく変動していく社会情勢にあわせて専門性を保ち続けるために学び続けることです。心理アセスメント、心理面接、臨床心理的地域援助、研究活動の4本柱を忘れることなく、研修機会を提供できるよう取り組んでいきたいと考えています。
広報担当理事
広報担当は、一般の方や官公庁など広く社会に向けて、当会の活動や役割について情報を発信していくとともに、外部からの研修会情報や求人募集などを受け付ける窓口としての役割を果たしています。
また、当会の会員向けには、Microsoft Teamsを活用しながら、会員の活動に役立つ情報や自己研鑽につながる情報を配信し、会員同士の連携強化を図っていきたいと思います。
倫理担当理事
臨床心理士はその活動において、対象者の基本的人権と自己決定権の尊重、プライバシーの保護、面接における事前の説明と合意(インフォームド・コンセント)といった倫理綱領を遵守する義務を負っています。
倫理部門は、会員のこのような倫理意識の向上に向けた教育・研修の機会を提供するための活動を企画・運営します。
また、会員の活動において倫理問題が発生した時には、倫理委員会を設けて厳正な審査を行い、その内容を理事会に報告します。これを受けて理事会は、その会員に対して相応の措置を行うことになります。
〔担当理事 (○が代表者)〕